《 現代ブータンを知るための60章》

平山修一:著 明石書店:2005年04月20日刊(税込み2100円)

 

 四六判  360ページ 並製   ISBN4-7503-2085-4C0336

目次

はじめに

1 概 要

    第1章 気候と地勢――ヒマラヤ山脈の奥深くに宿る心

    第2章 ブータンの言語――多様なる言語事情

    第3章 多様な民族――東西文化の違いと民族の変容

    第4章 いまでも残る旧支配階級――地方有力者と現王朝との関係

    第5章 王政の推移――王政の成立過程とその現在

    第6章 国教――カーギュ派・ドゥック派の唯一の独立国

    第7章 GNH――世界をリードする新たな開発理念

2 社会と生活

    第8章 道路事情――まがりくねった道の先には

    第9章 医療――西洋医学と伝統治療

    第10章 教育――ゾンカ、それとも英語? ゆれる教育方針

    第11章 IT事情――電話、テレビ、インターネットが導入されて

    第12章 スポーツ事情――サッカーから体育教育まで

    第13章 交通事情――広がる車社会と“手信号のおまわりさん”

    第14章 電気――国をあげての大規模水力発電プロジェクト

    第15章 マスコミ――噂話からテレビまで、ブータンの情報伝達の仕組み

    第16章 女性をとりまく生活環境――現代主婦のかかえるさまざまな問題

    第17章 水事情――豊富な水のイメージに反して、深刻化する水不足

    第18章 観光――複雑な観光料金体系とエコツーリズム

    第19章 食文化の変容――近代化による食生活の二極化

    第20章 ファッション事情――ブータン人はおしゃれ好き!

    第21章 トレッキング――旧道を歩くのどかな旅

3 経 済

    第22章 五カ年計画の推移――国際情勢に大きく左右されるなかでの独自路線

    第23章 援助と国家財政――アメリカドルとインドルピー

    第24章 物価の変動――物価から見える社会の変容

    第25章 食料自給率――農業国ブータンのジレンマ

    第26章 輸出入事情――日本とのかかわりの深いブータンのマツタケ

4 政 治

    第27章 環境政策――環境先進国としてのブータンの生きる道

    第28章 行政組織――公務員天国と思いきや……

    第29章 文化保護政策――文化保護を国策とした理由

    第30章 爵位制度――「ダショー」その知られざる生活

    第31章 政治体制――柔軟さとリーダーシップをかねそなえた王制

    第32章 司法制度――ディベート文化と村社会

5 国際関係

    第33章 消失していった近隣王国――シッキム、チベットの消滅からブータンが学んだこと

    第34章 西岡京治のまいた種――親日国の歴史に刻まれる一人の日本人

    第35章 隣国インドとの関係――インドを支配していたイギリスとの歴史を中心に

    第36章 SAARC諸国とのつながり――インドの脅威に足並みの揃わない南アジア諸国

    第37章 ブータンで働く外国人――インド人抜きには語れない外国人労働者事情

    第38章 ブータンに存在する反インド政府勢力――ブータン王国存続の最大の危機

6 歴史と文化

    第39章 伝統建築物――地産地消の具象化

    第40章 ゾン――政治と宗教の中心シンボル

    第41章 宗教建築物――ブータンの景観を形作るもの

    第42章 民家のいま――伝統建築とその生活様式の変化

    第43章 マナーや礼儀作法――狭い社会で生きるコツ

    第44章 トランスヒューマンス――生活のパターンにしみついている遊牧民的素養

    第45章 伝統貿易――歴史の舞台となった古い交易路

    第46章 生活用具――遊牧民の末裔としての痕跡

    第47章 法要や葬送――信仰と共に生きる人びと

7 生活に根付く宗教

    第48章 祭り――「ハレ」の日を楽しむブータン人

    第49章 名前――ファミリーネームのない人びと

    第50章 結婚にまつわる話――重婚ができる婚姻制度

    第51章 歌と踊り――音楽のもつ別な効用

    第52章 僧――社会におけるあまりにも一般的な存在

    第53章 自然観――仏教とその自然に対する意識

8 環境と資源

    第54章 天然資源――豊かな自然エネルギー資源

    第55章 自然災害――地球温暖化がブータンに与えた影響

    第56章 地質――ヒマラヤに見る海の痕跡

    第57章 森林保全――保全政策から社会林業、伝統的な森林利用まで

    第58章 生物多様性――森は大きな台所

    第59章 代替エネルギー――再生可能なエネルギーに対する取り組み

    第60章 自然保護地域――国家政策としての自然保護、開発との両立は可能か?

ブータンを知るためのブックガイド

    ========================================================================================== 書評欄転載

《 今週の本棚・新刊: 毎日新聞 2005年5月15日 東京朝刊 》

 ヒマラヤ山脈の東の麓に位置する小王国ブータン。最近、この国のことがしばしば 報道されるようになった。

国民総生産(GNP)ではなく国民総幸福(GNH)を国造りの基本にしている仏教国。

プラスチックなどの化学合成製品の使用を制限したり 、国土の六〇%を森林で保持することを新憲法案に盛り込むなど、

工業化に疲れた先 進諸国からすると、まるで桃源郷のような感じさえする国だ。

 

果たして実態はどうなのか。残念ながら、この国のことを知るための手頃な文献がほとんどなかった。

ブータン滞在延べ四年の経験を持つ著者が、政治、経済、文化、歴史、環境、資源など、

この国を知るための六〇項目を、実体験を踏まえて紹介した便利なブータン百科。(達)

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