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 「ブータンで、国民に対して幸福度調査が行われ、

97%の国民が幸福だと答えた」という日本での報道は正しいか?

 

結論から言えば、誤りです。

この時の調査は「国勢調査であって、幸福度調査ではない」

さらに調査対象は国民だけではなく、居住外国人、さらには外国人観光客まで含まれていました(勿論全ての観光客を調査するのは不可能ですが)

 

調査対象は家族単位で、主として戸主による回答、が集められた結果です。

調査は日本のように記入用紙を配付して回収する方法ではなく、対面による聞き取りで行われました。

2日間で調査を行うために、クラス10以上の学生を調査員としました。

 

様々な質問の最後に、「あなたの身内で最近ご不幸がありましたか?」と聞かれた、という事から

全ての調査対象者が「あなたはいま幸せですか?」という質問を受けたわけではない、と言えます。

ブータン人感覚の身内と言うのは、多くの日本人よりずっとずっと広範囲ですので、

少なからぬ人々が「幸せですか?」という質問を受けなかったのではないか、と推測しています。

それであれば97%という数字は、さほど不思議ではありません。

 

以上、文責・山本

 

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国勢調査を受けた方に実体験から得られた回答をお願いし、それを山本文責でまとめたのが以下です。

 

 

体験された状況を説明して下さい。

(1)

2005年5月30日と31日の午前7時から午後7時に、公務員と臨時公務員(クラス10以上の学生)が、家庭訪問をして対面聞き取り調査方式で国勢調査を行った。

 

(2)

その際の最後の質問が「あなたは、今、幸せですか?」であった(英語の場合)。

 

(3)

「幸せ」「どちらかと言えば幸せ」という回答を合計すると調査対象の97%になった。

 

(4)

調査対象はブータン国籍を持つ者(国民)だけではなく、外国人在住者、旅行客も対象となった。しかし旅行客全部をカバーできたわけではない。

 

(5)

聞き取り言語は、ゾンカ、英語、その他対象者が使用する言語で行うことを目指した。

 

(6)

行われたのは国勢調査であって、幸福度調査ではない。

 

(7)

国勢調査の調査票は世帯ごとに1部。

調査票に記載された、という意味では、対象者は0歳の赤ちゃんから。

 

(8)

調査票は4部にわかれていて、その1部か2部が個人への質問表だったと記憶している。

例えば家屋の情報などは、世帯主に該当する人が答えていた。

 

 

国勢調査の調査項目にはどのようなモノが?

家族の数、一人ひとりの性別と年齢、それぞれの最終学歴、仕事、使用言語

障害者がいればその性別年齢、障害の種類

読み書きできる言語

15歳から45歳の妊娠可能と考えられる女性については、妊娠歴とこれまでになくした子供歴(流産経験?)といった別枠質問があった。

家は持ち家か借家か

料理の燃料

電気器具の数と何を持っているか(ラジオ、テレビ、湯沸し、電気ストーブ、電気炊飯器、携帯、パソコン、など)

車の所有と台数

灯りは何を使っているか:電気、ケロシンランプ、ろうそくなど

世帯の中にこれまで亡くなったこどもや赤ちゃんはいるか、いくつでなくなったか、原因?

妊婦、褥婦の死亡について。

飲料水はどう入手しているか

トイレは水洗(フラッシュタンク)か、バケツで流すのか、ぽったんかなど。 トイレが室内か屋外か。屋外ならどこにあるか?  世帯専用か共用か。

その他

 

 

 

体験者のご感想をお聞かせ下さい。

 

しあわせですか? が日本ではクローズアップされていますが、本来は「Let' s Count!」という標語があらわしているように正しい人口分布把握が目的だったわけです。

つまり、ハウスナンバー(本籍のようなもの)登録制だと、今の現実の人口分布が把握できず、基本的なファシリティ整備のための予算配分が難しくなります。

実際は人があまりいない所に立派な道が通ってしまったり、と言うようなことを是正する、限られた予算を必要な場所に的確に使うための情報収集目的もあったわけです。

 

あなたは今幸せですか? と聞く前に、「最近家族にご不幸はありませんでしたか?」と聞かれました。

「どうして最後の質問の前に、最近家族にご不幸が・・・と聞くのですか?」とたずねたところ、

「それはやはり、そういうことがある場合には、最後の質問を投げかけられないということもあります。

相手の状況を見て、最後の質問はしない場合もあります。」とのこと。

つまり、みんなが「あなたは今・・・」と聞かれたわけではない。

 

このへん、さすがですね。

「そういう風にワークショップで学ばれたのですね。」と言うと、「そうです。」とおっしゃっていました。

 

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2010年 GNH調査結果・・・・40.8%の人が幸せと答えた

 

  

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