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ブータンの祭

 

ブータンには各地に様々な祭があるが、おおまかにツェチュ、ドムチェ、セルダ、各寺院の法要に分けられる。

祭の期間も、ブムタンのクジェ・ラカン・ツェチュのように期間1日、というものから5日間、という祭まで様々である。

夏以外は、ブータンのどこかで祭が行われている。 お祭りスケジュールは こちら

 

 多くの祭の中の「ツェチュ」と呼ばれる祭は、日本で紹介されることも多く、ブータンの祭が全て「ツェチュ」だという勘違いも・・・・・

 

 

ツェチュ

「ツェチュ」とは「月の10日」という意味であり、

ブータンに仏教をもたらしたグル・パドマサンバヴァの身に起こった重要なことが全て10日であったことが由来である。

行列、踊り、劇、などで構成され、最終日に「トンドル」と呼ばれる大きな「タンカ(掛仏画)」のご開帳で幕となる。

ツェチュの「トンドル」は、シルク布のアップリケで、グルとその変化した姿、妃などが表現されている。

 

 

クジェ・ラカン・ツェチュ  ニマルン・ツェチュ  パロ・ツェチュ       

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ルンチー・ツェチュ

(撮影:1995年12月29日---1996年 1月 1日 ほぼ全日拝観

 

パロ空降着後ティンプーへ移動して一泊、

翌日はトンサで一泊、

更に東へ進みブムタンで一泊、

更に更に東へ進みモンガルで一泊、

翌日ルンチーまで北上する、東ブータンの北部に位置する地域である。 

 

 

       
  左:ルンチー・ゾンを描いた切手         中:谷ひとつ越えた場所にある宿舎から見たルンチー・ゾン
 
右:この当時のルンチーには外国人用ゲストハウスがなかったので政府用を拝借したが、部屋があるのみなのでコック同伴、食材持参でないと泊まれない

 

 

  

   正面の2階に特別席が設けられ(体よく囲い込まれた?)そこからの撮影には制限なしの許可を貰う     

祭との一体感は味わえないが、この特別席のおかげで、窓越しに祭全体が見渡せた

 

 

 

シャナの踊り   

  シャナ(黒帽)

シャナの帽子飾りは、上から孔雀の羽根、鏡、ドルジ、髑髏、月日、火炎、帽子の頭部分は須弥山を表し護符の文字が描かれている

 

 

 

 

ポレ・モレ 

 

             

「王の出陣中に王妃が浮気をする」という物語  何故か王も王妃も2人出てくる少々意味の判らない物語だが、人気演目である

歌舞伎にも、演じている役者でさえよく判らない演目があるので、ま、似たようなモノか・・・・ 

この写真に登場しているのは、向かって右から、王が2人、王妃、後ろ姿は医者、赤い頭のアツァラ2人、王妃、翁、ちょっと離れて媼 

 

 

シャワ・シャチ

      

左:正面を向いているのが猟師ゴンポ・ドルジ、左の後ろ向きが猟犬  猟師は職業とはいえ殺生をくりかえし、仏の教えに耳を貸そうともしない

右:まず猟犬がミラレパ(三角帽子の白い衣装)の導きで綱を飛び越える(仏への帰依を意味する)という場面。その後ゴンポ・ドルジも帰依を表して劇は終わる。

 

 

 

ドゥルダ(骸骨) ドゥルダは墓場の守り神 

     

ドゥルダによって運び込まれた三角の箱は悪霊をとじ込める容器      周囲で踊っているのはトゥンガム(憤怒尊)

 

 

 

デンジュ(お布施)を求める「悪人」と「赤い面のアツァラ(道化) 

       

左・中:黒い面の悪人の脊の籠には動物の首 殺生などの悪事を働いた「悪人」は、後で「ラクシャ・マンチャム」の裁きの場で地獄行きを宣告される。

右:ブータンではお布施のお釣りを貰っても一向に構わないので、大きな札しか手持ちがないときには自分の喜捨したい額を言ってお釣りを貰ってください。 

 

 

 

 

ラクシャ・マンチャム 

      

祭壇奥に閻魔         デュナ(悪の使い)      ラカップ(善の使い)

 

 

閻魔の前で、デュナとラカップが死者の生前の悪行善行を数え上げ、計量係の猿(手に秤を持っている)が計量し、重かった方へ連れて行かれる

悪行が重ければ地獄へ、善行が重ければ極楽の使者達のコーラスに導かれて極楽へ・・・・あなたはどっち?(⌒_⌒)

 

 先ほどの「動物の生首を背負っていた黒面の悪人」は地獄行きが決まり、それを示す黒い道が作られる。

右側に列ぶ動物仮面達は獄卒  

一番前(ラカップの前)に座っている黄色い布を角につけているのが、チャムのリーダーであるラクシャ・ランゴ(雄牛面の獄卒)

 

 

 

トンドルのご開帳と法要

  ゾンの壁面のサイズにあわせた簡素なトンドル

パロのように大勢の見守る中ではなく、なんとも静かなグルの登場

 

 

トンドルの前での法要の準備が始まる  中央の黄色い衣の方はラム・ネテン(その地域での最高位の僧)、その右にはゾンダ(県知事)が着席する

 

       

左:法要の場を清める儀式マチャン    右:僧侶、俗人の別なく現金・米・バター茶、その他の布施が行われる(場所によっては着物が配られるのを見た)

 

  

トンドルが納められる前に、トンドルの裾に頭を触れて御利益を、と願う人々が、お布施を手に殺到する。

日頃のブータン人からはちょっと想像しにくいくらいエキサイトする

 

 

  

ツェチュに集った近郷近在の人々

この場合の「近」は、日本人の感覚の「近」とは、時間や距離の桁が違う。 「ちょっとそこだから寄ってかない?」は我々の足で1日行程である(笑)

   

       

左:ゾンの前にはいろいろな店が出て、祭以外でもを愉しめるようになっている    中:輪投げ屋(子供の遊びではない)   右:買って貰ったモモ(餃子)をほおばる少年

 

 

 
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